子どもの足を守る靴教育

IVO-JAPAN 10回記念大会 公開市民講座

「子どもの足を守る靴教育」

早稲田大学 人間科学学術院 人間総合研究センター 招聘研究員・学術博士

吉村眞由美

【講座へのお誘いのことば】

靴は毎日の生活を支える大切な道具です。足に合わないと指先が痛んだり、かかとに靴ずれが起きたり、足の指や爪の変形が起きることはよく知られています。しかし、靴が原因なのだろうということは直感的にわかっても、なぜそのような足のトラブルが起きるのか、誰かに理由を教えてもらったことはあるでしょうか?靴を買うときに、どんな靴が良い靴なのか、誰かにきちんとした基準を習ったことはあるでしょうか?残念ながら、ないと答える方がほぼ全員でしょう。そのような現状なのに、お子さんが歩き始めたら、保護者がまず買い揃えなければならない靴をきちんと選ぶことができているでしょうか。親であれば誰しも、大切な我が子を健康な子どもに育てたいと願うことでしょう。しかし、靴を選ぶとき、本当にこれでいいの?と不安な気持ちのまま、何となく選んでしまっている方が大多数なのではないでしょうか?

近年、子どもの運動不足や体力の低下が報告され、足のトラブルが増えていることが取り沙汰されています。実は、足のトラブルの原因として、毎日履いている運動靴の選び方や履き方の間違いによる影響が挙げられます。しかし日本では靴に関する学校教育は行われておらず、国としての教育内容が定められていません。例えば、保育園や幼稚園の先生が子どもたちに靴の履き方や、保護者の方に靴の選び方を教えなければならない場合、指導者の個人的な経験や価値判断で伝えているのが現状です。つまり、教えている内容はまちまちで、誤った指導がなされても、それを改める基準すらないのが現状です。

そのような状況を改善するために、私はシューエデュケーションⓇという名前で、子ども自身向け・保護者向け・指導者向けの靴に関する教育を考案しました。これはドイツ整形靴理論と子ども人間工学の考え方に基づいており、「正しい靴の選び方」、「靴の機能性を最大限に生かす正しい履き方」の2つの「靴行動」指針から構成されています。これまで、全国の保育園や幼稚園、子育て支援センター、小学校、中学校、高等学校、大学で、子どもたち、保護者、指導者に向けた教育実践を進めています。

今回は保護者の皆さんのために、今日からすぐに始められる「子どものための正しい靴行動」について、わかりやすくお話します。

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第10回記念 日本整形靴技術協会学術大会 東京大会

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