日本フットケア学会でシンポジストをすることになりました

3月に奈良で開かれる日本フットケア学会でシンポジストをすることになりました。
(日本フットケア学会のシンポジウムのプログラム(予定)のページはこちらです

3月8日(土)15:40〜17:10

シンポジウム 11 こどもの足の健やかな成長を願って

こどもの足の特徴と疾患の鑑別
薩摩 真一(兵庫県立こども病院整形外科)

インソールによる浮き趾対策
大内 一夫(福島県立医科大学整形外科)

こどもの足の健やかな成長のための靴について
大野 貞枝(子どもの足と靴を考える会)

こどもの足の障害
中瀬 尚長(星ヶ丘厚生年金病院整形外科)

子どもの靴行動の向上とシューエデュケーション(R)
吉村 眞由美(早稲田大学人間科学学術院人間総合研究センター)

【抄録】
近年、子どもの運動不足や体力の低下が報告され、足のトラブルが増えていることが取り沙汰されている。足のトラブルの原因として、毎日履いている運動靴の不適合による影響が大きいことは誰もが気付くことであるが、日本では靴に関する学校教育は行われておらず、国としての教育内容が定められていない。例えば保育園や幼稚園の先生が子どもたちに靴の履き方や、保護者の方に靴の選び方を教えなければならない場合、指導者の個人的な経験や価値判断で伝えているのが現状であり、誤った指導がなされても、それを改める基準すらない。また、昭和時代の一般的な子ども靴は、人気アニメの絵柄で選ばれていた。その名残から、今も日本の子ども靴は子ども自身がおもちゃ感覚でねだり、買い与えられている製品である。そのような背景から、日本の保護者は子ども靴に無頓着になり、健康への影響についての意識を持ちにくい環境に置かれている。また、靴の不適合は、靴が脱げることによる怪我や事故に遭う危険性を倍加させるが、靴が原因であることに意識が向けられていない現状である。

そのような状況を改善するために、筆者はシューエデュケーション®という名前で、子ども自身向け・保護者向け・指導者向けの靴に関する教育を考案した1)。これはドイツ整形靴理論と子ども人間工学の考え方に基づいており、「正しい子ども靴の選び方(機能的条件・サイズ条件)」、「靴の機能性を最大限に生かす正しい子ども靴の履き方」の2つの「靴行動」に改めることを目指している。この教育理論に基づき、これまで全国の教育施設において、実践的検討を行ってきた。対象者は、靴を履く行動者である子どもたち自身、足の成長に合わせて子ども靴を購入する保護者、子どもの教育と保護者の啓発に当たる指導者である。本シンポジウムでは、シューエデュケーションの概要と実践事例について紹介し、その意義について述べる。

【引用文献】

1) 子どものための靴教育・シューエデュケーション®;吉村眞由美,人間生活工学,14(2),pp.19-24,2013.

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